「スピネギ」とはスピニングタックルで狙う根魚ジギングの事です。
島根の遊漁船「龍勢丸」の船長「磯見政斗氏」が10年以上前に発案した釣り方で、スピネギアングラーで盛り上がっていましたが、近年では山陰地方にとどまらず全国に広がり盛り上がりを見せています。
ターゲットは基本的に根魚全般ですが、大型の青物や根魚までも釣れてしまう魅了的な釣りです!
過去には20キロ超えの平政や30キロ超えのクエなんかも釣られています。
ですが正しいセッティングや知識、ファイトなどを身につけないと釣り上げることは難しくなります。
このサイトでは、そんな「スピネギ」を正しく徹底解説していきます。
これからスピネギを始める方はもちろん、上達したい方や上級者の方も必見の情報サイトです。
大物も捕れるからと最初から青物ジギングには使用しないでください!
不意の大物も視野に入れる釣りですが、あくまでも狙いは底物です。
青物メインのジギング(ヒラマサジギング)などでは同船者の迷惑となる場合もありますので、遊漁船のルールなどに従ってください。
タックル編
まずは何よりもタックルが重要!
スピネギはタックルバランスが非常に重要な釣りになります。
間違ったタックルを選択すると、釣果が落ちてしまったりタックルの破損につながったりしてしまう可能性があります。
正しいタックルバランスの知識を付けて挑みましょう!!
近年スピネギ専用タックルなども増えてきているので、スピネギLab編集部でオススメのタックルを紹介していきます。
ロッド
従来のライトジギングロッドではスピニングを使用する場合、巻取りの際にバットガイドにラインが強く擦れバタつき(巻くとティップがバタバタ震える)が発生し感度、操作性が低下しがちでした。
スピネギ専門モデルはガイドの配置や径にも拘り、このバタつきを最小限に抑えているので、感度・操作性の向上を実現しています。
ティップのバタつきがないため魚からのジャレ付きが目視で得られるのもスピネギの魅力となります。!
またスピネギモデルはロンググリップ仕様になっています。
基本ターゲットの根魚等であれば通常ファイトとなるが、不意の大型魚にはロンググリップを活かしロッドをやや寝かした綱引きファイトが基本となるため、ロンググリップにする事で安定したロッドワークが可能となっています。
現在各メーカーから発売されている、スピネギ専用ロッドを紹介します。
ARES BLACK JAGUAR ORIGIN Spinegi LJ (UL/L)
ARES(宇崎日新)さんから発売されているスピネギ専用ロッドです。
スピネギ発祥の遊漁船「龍勢丸」の磯見氏、鳥取の遊漁船「シージャンキー」の小林氏が監修をしたロッドです。
ULタイプとLのタイプがあり、水深や潮で使い分けれます。
◆スペック
UL
全長(ft/m):6’4(1.93) / 仕舞寸法(cm):135 / 継数(本):2
自重(g):130 / カーボン含有率(%):88 / リールシート位置(mm):490
先径(mm):1.8 / 元径(mm):7.7
Line(PE#):’MAX1.5 / JIG(g):’MAX150
L
全長(ft/m):6’4(1.93) / 仕舞寸法(cm):135 / 継数(本):2
自重(g):135 / カーボン含有率(%):93 / リールシート位置(mm):490
先径(mm):2 / 元径(mm):8
Line(PE#):’MAX2.0 / JIG(g):’MAX180
UROCO エアコロ aircoro スピネギカスタム
ジグで有名なUROCOさんのスピネギ専用ロッドです。
スピネギに早くから目を付けて、全国各地で多くのテストを繰り返した結果、オールラウンドな使い心地のロッドになっています。
◆スペック
長さ:198cm(6.6FT)ワンピースロッド
PE MAX:#2.0
ジグウエイトMAX:160g
スピニングモデル
チューブラータイプ
SICリング・Kガイド・チタンフレーム採用
made in japan
天龍 ホライゾン プログレッシブ HPG632S-ML ネギングカスタム
天龍さんのスピネギ専用で設計開発されたモデル。
スピネギ専門ロッドがまだない時代に、磯見氏は旧モデルのホライゾンLJを使用していました。
そのモデルのノウハウを落とし込み、更に進化したロッドになっています。
◆スペック
Length : 6’3″(ft)
Sections : 2(pcs)Detachable handle
Lure Wt : MAX150g Best120g
Line : PE MAX 2.0
Drag MAX : 3(kg)
リール
スピネギにはPEライン1.5~2号を使用するので、ある程度糸を巻ける大きさのリールが必要です。
また巻上げ量が100センチ程度あると使いやすいので、ギアはXG(XH)などがオススメとなります。
ダイワであれば旧タイプだと3000~3500番(現行で4000~5000番)
シマノであればSW4000~SW5000番(※ノーマルではなくSWモデルのもの)
ギアはXG(XH)がオススメ
リールは対応モデルも多いので、スピネギLab編集部で使用しているリールを一部参考に紹介します。
SHIMANO ステラ(ツインパワー)SW4000XG
◆スペック(ステラSW4000XG)
ギア比:6.2
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg):7 / 11
自重(g):355
スプール寸法(径/ストローク)(mm):52/19
ナイロン糸巻量(lb-m):3.5-170、4-150、5-125
PE糸巻量(号-m):1-490、1.5-320、2-240
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):101
SHIMANO ステラ(ツインパワー)SW5000HG
◆スペック(ステラSW5000HG)
ギア比: 5.7
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg): 10/ 13
自重(g): 420
スプール寸法(径/ストローク)(mm): 54/19
ナイロン糸巻量(lb-m): 4-200、5-150、6-130
PE糸巻量(号-m):2-350、3-240、4-170
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):97
DAIWA ソルティガ 4000XH
◆スペック
ギア比: 6.2
最大ドラグ力(kg): 12
自重(g): 345
PE糸巻量(号-m):2-300 2.5-260
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):98
メインライン・リーダー
メインライン:PE1.5~PE2号(8本編み)
スピネギの推奨PEライン1.5号~2.0号となるが、この号数を使用する事で様々なメリットが期待出来ます。(※本家では2.0号が主流!)
本家山陰では50〜90mがメインとなる事が多いが、この水深であれば潮による影響もさほどないためストレスを感じる事はない!
ここで根魚釣りに1.5号2.0号を使用しなくても十分捕れると思われる方も当然多いだろう。
ただメタルジグを使用している以上根魚だけではなく、不意の大物がヒットしてしまう事が多々あるのもまた事実です。
スピネギテスト段階の時点では細いラインも試したが何度も悔しい思いをしたとの事。
掛けたからには勝負をしたいと思い、また肝心の根魚の食いも全く変わらない事から試行錯誤の結果、このラインバランスとなっています。
以前から磯見氏は(不意の大物を狙いの魚ではないからと諦めるか、この魚のために対策しといて良かったと思うか!)と言うが筆者も後者である。
リーダー:ナイロンライン40lb(10号)
スピネギではナイロンリーダーの方がメリットが大きくなります。
アンダーキャストを多様するためナイロンリーダーの方がライントラブルがなく、水深も90Mまでの為ナイロンリーダーの伸びによる悪影響もありません。
なにより最大の要素は大型魚が来た場合にもナイロンがクッションの役割を果たしてくれるためラインブレイクやフック等の破断を緩和してくれます!
通常の根魚狙いの釣りと比べれば強めのセッティングではあるが、大型魚と渡り合うにはライトなためこのクッションが必要不可欠となります。
リーダーの長さは3ヒロ程度となります。
ジグ(ルアー)
スピネギで使用するジグはショートタイプが多くなります。
海域や水深や潮など、その日の状況に合わせて重さを調整する必要がありますが、本場山陰では100g~150gまでのジグを多用します。
山陰以外の海域では180以上も使用する場合がありますが、ロッドの表記以上のグラム数のジグを使用する場合には、ロッドの破損又は怪我の原因となりますので十分注意して使用してください!
参考までにスピネギLab編集部でのオススメジグを紹介します。
UROCOジグ ショート
UROCOさんのジグ「UROCOジグショート」です。
コンパクトボディで動かしやすい鉛製のジグです。
スピネギユーザーにも幅広く使われていて、カラーラインナップも豊富で実績も抜群です!!
DAIWA TGベイト
DAIWAさんのジグ「TGベイト」です。
タングステンタイプのジグで、小さいシルエットなのに重量があり沈下スピードも速いジグです。
こちらもスピネギで幅広く使われている実績のあるジグです。
ARES ブラックジャガー ジグ スピネギ
オリジンスピネギ(ロッド)でおなじみのARESさんから発売されているジグ、「ブラックジャガージグ スピネギ」です。
素材は鉛タイプで、スピネギに特化したショートシルエットを採用し、 多種多様なスピネギにおけるターゲットにアプローチが可能です。
アシストフック
ジグに使用するアシストフックのサイズですが、メーカーによってサイズ表記がまちまちになります。
よく小さいタイプのものを使用している人が多いので注意してください。
基本的にフロント・リアともにフックを装着します。
ジグサイズに合わせてアシストフックの長さを調整する形となりますが、リア1cm・フロント1cm~2cmでフックが絡まない範囲で調整をしてください。
参考までにスピネギLab編集部でのオススメフックを紹介します。
シャウト ツインスパーク1/0
磯見氏を含めスピネギユーザーの多くが使用しているフックです。
フックの大きさ表記は、こちらの製品ですと1/0サイズとなります。
フロロ芯の入ってないノーマルタイプがオススメです。
リング
リングはそれぞれ内径5mm程度のものを使用するのが標準です。
スピネギLab編集部で使用をしている、プレスリングとスプリットリングを紹介します。
サイズを合わせてもらえれば、お使いのものでも使用可能です。
シャウト プレスリング 74-PR 5(155LB)
BOZLES ASSIST RING L
シャウト ヘビースプリットリング 411HS 5(114lb)
実釣編
タックルの準備が出来たらいよいよ実釣です。
ここでは基本となるジャーク方法やファイトなどを解説していきます。
スピネギは基本的に上げの釣り!
軽くキャストをして、着底からジグで誘い上げていく攻めの釣りです。
広範囲を手返しよく探り、ジグを魚にアピールしていきます。
手順1:キャスト
まずは広範囲を探るため、軽くジグをキャストします。
※必ずアンダーキャストをしてください
この時の注意点は飛距離を出すために力いっぱい投げない事!
怪我やロッド破損などトラブルの原因となります。
キャスト後はラインがたるみすぎないようにサミングをしつつ、着底を待ちます。
フォール中に魚が食ってくることもあるので、意識しつつ着底を待ってくださいね!
手順2:誘い
スピネギ基本ジャークは1/2ピッチで、ロッドワークは海面にティップを向けて行いフォールは意識せず常に上へ上へと誘い上げます。
(渋い時には1/3など更に刻む場合も)
この「ロッドワークは海面にティップを向けて行い」が重要となります。
※詳しいジャークは別ページで今後紹介をする予定です。
その時の水深と活性次第ですが、基本的にはボトムから15メートル程度までシャクリあげます。
遊泳力のあるハタや大型魚は、ベイトについて浮いてる場合もありますし追尾して来ます。
低活性時にはボトム10メートル・5メートルと探る棚を下げて行きます。
ずっとボトムだけだとサイズが出にくくなるため活性をみて棚を上げてください。
またピッチの速度も活性により変えて行くと更に口を使わせやすくなります。
手順3:フッキング
スピネギの醍醐味とも言えるフッキング!
バイトがあれば瞬時に合わせるんですがここで重要なのがドラグ値とロッドの角度です。
ドラグ値はアワセたら必ず出るようにしてください。
フッキングした時に、「ジーッ」っと滑るように調整。(文字では難しいですが、ジーーーーッと滑りすぎるのはフッキング出来てないです。)
ドラグを締めすぎると口切れやラインブレイク、ロッドの破損などの原因となります。
大型とやり取りできるからといって、強いドラグにするのはやめましょう!
アワセも先程説明したジャーク時の角度(ティップが海面)のままフッキングを行います。
ロッドを海面から目線くらいの高さまでシャープに持ち上げて魚の重さがガツンと乗るイメージです。
追わせて追わせてガツン!
この食わせた感掛けた感の高い満足度が得られるのも、スピネギに魅了されるアングラーが多い理由とも言えるでしょう。
手順4:ファイト
手順3でフッキングをしっかりと決めた後のファイトは、基本は海面から目線までのポンピングファイトとなります。
ポンピングファイトだとリールのギアに負荷がかかりにくく、また魚が暴れた際にもロッドがいなしてくれるためバレにくくなります。
ポンピングファイトの際に魚が走った場合には、カラダを使い「いなす」事でフックアウト軽減でき魚も早くおちつきます。
大型魚の場合にはロッドのリフト力では限界があるため、通常ポンピングとは異なりロッドを三日月の角度で寝かしハンドドラグでプレッシャーを掛けストレートポンピングとなります。
※無理に魚を止めようとすると、ガイドが破損したりロッドの破損につながります。
まとめ
全体的にスピネギの基本部分を簡単に説明しましたが、それぞれの項目で注意点や詳細、テクニックなどまだまだ紹介しきれない事がたくさんあります。
このサイトでは更に奥深くスピネギについての記事を随時更新していきますので、あなたのスピネギライフにお役立てください!